家電量販企業月次速報

はじめに

家電量販企業の直近の売上状況や変化をみるには、IR情報として開示している「月次速報」が参考になります。月次速報は店舗のPOSデータに基づいた売上であり、その他の売上等は含まれないため実際の業績進捗とは異なりますが、月々の動向や伸長度合いをチェックできます。家電量販企業上位7社のうち、月次速報を公表しているのはエディオン、ケーズホールディングス、ビックカメラ・コジマ、上新電機、ヤマダホールディングスです。

主要家電量販6企業、売上高前年同月比の推移


ケーズホールディングス

月次の売上と主な品種別売上(前年同月比)、店舗数推移


ケーズホールディングスの2025年2月度の売上状況ケーズホールディングスの2月度は100.1%とほぼ前年並みの実績でした。テレビ、冷蔵庫、理美容・健康器具の売上は前年を下回ったものの、パソコン、洗濯機、クリーナー、調理家電、エアコンの売上が伸び、全体として前年の水準を維持しました。また、店舗に関しては、大阪府のじゃんぼスクエア熊取店が2月17日に閉店しました。

エディオン

月次の売上と主な品種別売上(前年同月比)、店舗数推移


エディオンの2025年2月度の売上状況エディオンの2月度は、全店舗で105.2%、直営店で105.3%となり、前年を上回る結果となりました。テレビ、冷蔵庫、ELS事業は前年を下回ったものの、エアコンとパソコンは前年から2桁成長しました。また洗濯機も前年以上の実績でした。店舗関係ではFCが1店舗オープンしましたが、2月2日に直営の泉佐野店が閉店し、他のFC店舗も3店舗が閉店しました。

ビックカメラ

月次の売上と主な品種別売上(前年同月比)


ビックカメラの2025年2月度の売上状況ビックカメラの2月度は105.7%と前年を上まわりました。特にエアコン、パソコン本体、パソコン周辺機器、スマートフォンが好調で、カメラ、テレビ、音響機器、冷蔵庫、洗濯機、調理家電、理美容家電も安定した売上を記録しました。その他のカテゴリーでは、医薬品や酒類、寝具が好調で、ゲームや時計、スポーツ用品も安定した成績を残しましたが、玩具は少し低迷している結果となりました。

コジマ

月次の売上と主な品種別売上(前年同月比)、店舗数推移


コジマの2025年2月度の売上状況コジマの2月度は既存店109.9%、全店108.8%と前年を大きく上まわりました。テレビ、冷蔵庫、掃除機は前年よりも売上が減少しましたが、エアコンと携帯電話は大きく伸びています。特にエアコンは、東京都の省エネ家電買替促進に関する補助金施策が大きな影響を与えました。一方、携帯電話はドコモをはじめとする3キャリア全てが好調な売上を記録しています。また、パソコンではモバイルノートPCが好調で前年を上回る結果となりました。さらに、周辺機器やゲーム機本体も順調に推移しています。

上新電機

月次の売上と主な品種別売上(前年同月比)、店舗数推移


上新電機の2025年2月度の売上状況上新電機の2月度は、グループ全体で116.2%と前年を大きく上まわりました。ほとんどのカテゴリーが前年を超えましたが、特にパソコン、携帯電話、エアコン、洗濯機・クリーナーが顕著な成長を見せました。またテレビ、冷蔵庫も前年から大きく伸長しています。店舗関係では2月28日に愛知県のジョーシンメグリア本店が閉店しましたが、2月14日に同じく愛知県内にジョーシンプライムツリー赤池店がオープンしました。

ヤマダHDデンキセグメント

月次の売上と主な品種別売上(前年同月比)、店舗数推移


ヤマダHDデンキセグメントの2025年2月度の売上状況ヤマダHDデンキセグメントの2月度は105.5%と前年を上回りました。前年がうるう年だったため営業日数が1日少なかったことと、前年4月から大型店舗を中心に20店舗の新規出店があったことから売上のハードルが高くなっていましたが、寒波の影響を受けて季節家電が好調に推移したほか、携帯電話の売上も大きく伸びた結果、前年を超える成果を上げました。デンキセグメント以外では、住建と環境の両セグメントも前年を上回る結果となっています。

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株式会社クロスには家電業界に精通したコンサルタントが多数所属しています。また、家電業界向けのセミナーを定期的に開催し、家電業界の専門誌「家電Biz」も発行しています。家電業界に関するコンサルティングやデータ提供等も行っておりますので、ご不明な点やご要望がございましたらお気軽にお問い合わせください。