はじめに
掃除機は、白物家電のなかでも月ごとの振れが大きい商品です。2023年4月からの3年間の平均で見ると、出荷が最も多い12月は721千台、最も少ない5月は344千台で、2倍以上の開きがあります。年末商戦に需要が集中し、そこで買った人が翌年の同じ時期まで買い替えないためです。したがって単月の出荷台数を前の月と比べても市場の強弱は分かりません。前年の同じ月と比べる必要があります。
1台あたりの価格は、おおむね25,000円から30,000円の間で動いています。過去3年平均で、最も高い12月が29,753円、最も低い4月が26,011円です。この差も季節によるもので、年末には据置型やロボット型を含む高い機種が動き、春には手軽な機種が中心になります。冷蔵庫や洗濯機に比べると1台の単価は低い一方、買い替えの周期が短く、複数台を持つ世帯もあるため、台数の絶対量は白物家電のなかで多いほうに入ります。
年度でまとめると、台数の減り方はゆるやかになっています。2023年度は5,392千台、2024年度は5,244千台、2025年度は5,218千台で、前年度比は94.1%、97.3%、99.5%と減り幅が年々小さくなりました。出荷金額も1,501億円、1,474億円、1,472億円とほぼ横ばいです。台数が減るなかで金額が保たれているのは、1台あたりの単価が27,832円、28,110円、28,210円と少しずつ上がっているためです。単月では1割以上動く月もありますが、年度で見ると市場の大きさはこの3年ほとんど変わっていません。
読むときの注意が2つあります。1つは、この統計が示すのはメーカーからの出荷であって、店頭で売れた数ではないことです。ずれた月には流通在庫が動いています。もう1つは、このページには他の白物家電のページにある形状別の構成比グラフがないことです。JEMAが掃除機の内訳を月次で公表していないためで、スティック形やロボット型がどれだけを占めるかは続く数字になりません。そのぶん、平均単価の動きが構成の変化を映す指標になります。
