はじめに
全国で都市型大型店舗を展開するビックカメラは、2006年にソフマップ、2012年に郊外型店舗中心のコジマを子会社化し、対象ターゲットや地域特性に合わせた店舗展開を図っています。ビックカメラは非常に早い時期から非家電商材の取り扱いを強化しており、ゲーム・玩具やスポーツ用品、酒類やスポーツ用品、ドラッグ等幅広く、売り場も充実させています。これらの豊富なジャンルをそろえたEC売上も年々上昇し、直近では1,500億円を突破。売上高全体に占める構成比も20%近くにまで伸長しています。さらにインバウンド需要を狙ったAirビック、ECでの拡大を目指した楽天ビックのように他業種とのコラボも盛んに進めています。
ビックカメラの売上高は、2018年度(2019年8月期)の約8,940億円・前年比105.9%から、2019年度に約8,479億円・94.8%と大きく落ち込みました。コロナ禍によるインバウンド需要の消失と都市型店舗の客数減少が直撃した形です。都心ターミナル立地に集中するビックカメラにとって、訪日外国人の購買力が失われた影響は他の郊外型量販企業以上に深刻でした。2020年度も約8,341億円・98.4%と前年割れが続き、2021年度には約7,924億円・95.0%とさらに縮小。4年間で売上高は約1,000億円減少し、底を打ちました。 転機となったのが2022年度です。約8,156億円・102.9%と3年ぶりに前年を上回り、回復基調に入りました。2023年度は約9,226億円・113.1%と二桁成長を記録し、2024年度は約9,745億円・105.6%とさらに加速。2024年度の売上高は2018年度を約805億円上回り、7年間で過去最高を更新しています。この急回復を牽引したのは、インバウンド需要の本格回復、都市型大型店舗の集客力の復活、そしてコジマとの連携強化によるグループシナジーです。特に2023〜2024年度の伸びは、円安を追い風にした免税売上の拡大が大きく寄与していると見られます。1兆円の大台突破が現実的な射程に入っており、ヤマダHDに次ぐ業界2位の座を固めつつあります。


