はじめに
デジタルカメラの過去10年間の出荷台数・金額を見ると激変していることが分かります。2000年代は毎年1,000万台以上の出荷があった市場は、2010年の1,057万台を最後に毎年2桁ダウンが続き、2017年に一度台数増加もありましたが、2018年には約285万台まで縮小しています。このように需要が変化した要因は、カメラ機能も進化しているスマートフォンが急速に市場を拡大させたことに尽きます。その中でも、10年前はタイプ別構成比で10%程度だったデジタル一眼レフなどのレンズ交換式が、2018年には約37%まで拡大し、レンズ交換式の中でも一眼レフよりもミラーレスの構成比が大きくなるといった変化が出ています。
2026年1月から3月のデジタルカメラ出荷は、台数・金額ともに前年を大きく上回り、市場の回復が鮮明になっています。 1月は78千台・出荷金額5,743億円。2025年1月と比較すると台数で59%増、金額で56%増と驚異的な伸びです。2024年1月と比較しても台数32%増、金額23%増と、2年前の水準も大きく上回っています。スマートフォンとの差別化が進んだ高付加価値モデルへの需要が着実に拡大していることがうかがえます。 2月は91千台・出荷金額6,212億円。2025年2月に対して台数30%増、金額23%増。2024年2月と比較しても台数26%増、金額31%増と、こちらも力強い成長です。 3月は97千台・出荷金額6,025億円。台数は2025年3月を15%上回り、2024年3月からは45%増と大幅に増加しています。ただし金額は2月からやや減少しており、台数が増えた割に金額の伸びが鈍化しています。2025年3月が5,816億円だったことと比べれば増加していますが、1台あたりの単価は1月の約7.4万円から3月は約6.2万円へ低下しており、エントリーモデルの構成比が3月に高まった可能性があります。 1月から3月までの合計では台数約266千台、金額約17,980億円と、2025年同期を台数で31%、金額で24%上回りました。かつて「スマートフォンに駆逐される」と言われたデジタルカメラ市場ですが、高画質・高性能モデルへの特化による単価上昇と、SNS・動画クリエイター層からの需要拡大が市場を再成長軌道に乗せています。


