はじめに
デジタルカメラの出荷は、台数と金額がまったく違う動きをしてきた市場です。世界に向けた総出荷台数のピークは2010年の121,463千台で、2025年は9,439千台と、15年で13分の1以下になりました。一方で出荷金額は2020年の4,201億円を底に増加が続き、2025年は8,806億円と5年で2.1倍です。1台あたりの平均単価も2010年の13,500円から2025年は93,300円へと約6.9倍になりました。数が減りながら金額が増える市場に変わっています。
縮小の中身はスマートフォンとの棲み分けです。日常のスナップがスマートフォンに置き換わり、安価なコンパクトカメラの需要は失われました。レンズ一体型の総出荷台数は2008年の110,070千台から2023年には1,722千台まで縮んでいます。残ったのはスマートフォンでは撮れない写真を求める層で、そこにレンズ交換式カメラが向かい、一眼レフからミラーレスへの置き換えが進みました。台数でミラーレスが一眼レフを上回ったのは2020年、金額では2019年です。2025年のミラーレスは6,311千台と過去最高で、一眼レフは691千台です。
流れがもう一度変わったのが2023年以降です。縮み続けていたレンズ一体型が反転し、2025年は2,437千台(前年比129.6%)、金額は1,515億円(同148.9%)と台数以上に金額が伸びました。高倍率ズームや動画撮影に対応した製品が中心で、かつての低価格なコンパクトカメラとは価格帯が違います。CIPAは2026年のレンズ一体型を277万台(前年比113.6%)、レンズ交換式を682万台(同97.4%)と見込んでいます。
このページの数値には2つの前提があります。1つは、CIPAの主統計が世界向けの総出荷である点です。日本向けは2025年で996千台と総出荷の1割強にすぎず、国内の販売実感とは規模も方向も一致しないことがあります。もう1つは、2026年1月出荷分から株式会社ケンコー・トキナーがデジタルカメラ統計に加わったことです。2026年の前年同月比には、前年に含まれていなかった参加企業増加分が乗っています。以下では出荷台数と出荷金額、平均単価、タイプ別・センサーサイズ別・地域別の内訳、そしてカメラ用交換レンズの動きを追います。数値は一般社団法人カメラ映像機器工業会(CIPA)の公表値です。月別の平均単価のみ、出荷金額と出荷台数をもとに弊社で算出しています。
