はじめに
少子高齢化や単身世帯の増加など、社会環境は急速に変化しています。家電流通企業もこの変化に合わせて、取扱分野の拡大や他業態とのコラボレーション、エリア別の施策、地域最適化の出店戦略などに取り組んでいます。この取り組みの成果は業績に反映され、家電流通企業各社の業績や指標を把握することで、家電流通企業全体を俯瞰して捉えることができます。また、各企業の業績推移を時系列で見ることにより、企業として成長しているか否かも把握できます。家電量販企業DBの数値から、家電流通企業の「今」を見据えていただければ幸いです。
家電量販上位7社の売上高合計は、2018年度の約5.51兆円から2020年度には約5.85兆円まで拡大しました。その後、コロナ特需の反動で落ち込んだものの、2024年度は約6.18兆円と過去7年間で最高を更新しており、業界全体としては調整局面を脱し、再び成長軌道に乗りつつあることがうかがえます。 企業別に見ると、最大の変化はノジマの急成長です。2018年度の約5,131億円から2024年度には約8,534億円へと66%増加し、7社中最も高い成長率を示しています。これはノジマ本体の家電販売に加え、M&Aによるグループ拡大が大きく寄与しています。同様にヨドバシカメラも2018年度の約6,931億円から2024年度の約8,162億円へと堅調に伸ばしており、都市型大型店舗とECの両輪戦略が奏功しています。 一方、業界首位のヤマダHDは2020年度の約1兆7,525億円をピークに2023年度には約1兆5,921億円まで減少し、2024年度は約1兆6,290億円と回復途上にあります。ビックカメラは2024年度に約9,745億円と7年間で最高を記録し、1兆円の大台が視野に入ってきました。エディオンも2024年度に約7,681億円と着実に伸ばしています。ケーズHDは2020年度の約7,926億円から2023年度に約7,211億円まで縮小しましたが、2024年度は約7,380億円と持ち直し。上新電機は2024年度に約4,033億円と安定した推移を見せています。 全体として、かつてはヤマダHDが圧倒的なシェアを占めていた構図から、ノジマ・ヨドバシ・ビックカメラの追い上げにより上位の差が徐々に縮まる傾向にあり、業界の競争環境は確実に変化しています。


