はじめに
ケーズデンキは郊外型店舗を多く展開しており、毎年新規出店を一定数行うことと、出店から2年目以降の顧客づくりを強化することで安定した成長を続けています。新規出店も郊外の国道など交通アクセスの良いエリアだけでなく、都市部でも人口密集率の高いエリアに出店するなど、エリア状況によって臨機応変に行っています。さらに既存店舗では老朽化した店舗や、立地が地域の変化によって合わなくなった店舗をスクラップして、交通アクセスのよい立地で新店舗を立ち上げるスクラップ&ビルド戦略で、売上を減らさないように展開しています。売上拡大とともに収益性を重視し、コスト削減を常に意識した店舗オペレーションを進め、ローコストオペレーションは昔から定評があります。
ケーズホールディングスの売上高は、2018年度から2020年度にかけて拡大した後、2021年度以降は調整局面が続き、2024年度にようやく持ち直しが見られる推移です。2018年度は約6,891億円・101.5%、2019年度は約7,082億円・102.8%と着実に増収し、2020年度には約7,925億円・111.9%と大きく伸長しました。コロナ特需の恩恵を強く受けた年度であり、7年間で最高の売上高と最も高い伸長率を記録しています。 一方で、2021年度は約7,472億円・94.3%と反動減が鮮明に表れました。前年差で約453億円の減収となり、伸長率も100%を大きく下回っています。さらに2022年度は約7,373億円・98.7%、2023年度は約7,184億円・97.4%と、3期連続で前年割れが続きました。2020年度のピークから見ると、2023年度までに約741億円減少しており、コロナ特需の反動を長く引きずった形です。 2024年度は約7,380億円・102.7%と増収に転じ、ようやく下げ止まりが確認できました。ただし、2020年度の約7,925億円にはなお約545億円届いておらず、完全にピーク水準を回復したとは言えません。この推移から見ると、ケーズHDは特需局面では大きく伸びる一方、その反動局面では売上の調整色が出やすい構造を持っています。今後の焦点は、2024年度の回復を一時的な反発で終わらせず、平時でも7,500億円台を安定的に維持できるかどうかにあります。売上成長率100%台前半を継続できれば、次の回復局面がより鮮明になるでしょう。


