はじめに
ノジマは神奈川、千葉、東京、埼玉、静岡と首都圏エリア、および上信越に集中した出店を行っており、家電製品だけでなく、携帯電話専門店事業、インターネット接続事業も進めています。これは携帯電話はITX、インターネット事業はニフティを買収して事業拡大を図ったもので、近年は確実に売上・収益とも伸ばしてきています。ノジマの特徴はショッピングセンターやターミナルの商業施設への出店が多く、複合商業施設ならではの集客力を活かしてビジネスを展開しています。ノジマはもともと「デジタル一番星」というテーマを掲げてデジタル商品に強い店をアピールしてきましたが、最近は冷蔵庫、洗濯機、エアコンなどの生活家電の売上もアップしてきています。また、これまで出店しなかった池袋や新宿などの百貨店にも新店を出し、新規顧客獲得を進めています。店舗のブランド力をアップするために駅貼りの大型看板や車内中吊り広告を増やしたり、プロスポーツのスポンサーになって、認知度アップを推進しています。また、メーカーの販売促進の応援を入れず、すべて自社で接客を行うことをアピールしています。携帯電話事業では、全国に携帯キャリア専門店を運営しており、携帯電話の売上では家電量販企業でもトップクラスになっています。
ノジマの売上高は、2018年度の5,131億円から2019年度5,240億円へと増加し、2020年度は5,233億円・伸長率99.9%とほぼ横ばいでした。家電量販業界では2020年度にコロナ特需で売上が大きく跳ねた企業も多かった中、ノジマはこの時点では目立った急伸は見られず、むしろ2021年度以降に成長が加速している点が特徴です。2021年度は5,650億円・108.0%、2022年度は**6,262億円・110.8%と2期連続で高い増収率を記録し、2023年度には7,613億円・121.6%と一段と伸長、2024年度も8,534億円・112.1%**まで拡大して7年間で最高を更新しました。 2018年度から2024年度までの増収額は3,403億円に達しており、売上規模は約1.66倍になっています。この伸びは既存店の自然増だけで説明するには大きく、M&Aによる連結売上の上積みが成長の大きなドライバーになっていると見るのが自然です。とくに大きいのがコネクシオの子会社化で、ノジマは2023年2月に同社を子会社化しており、会社資料でも2024年3月期の増収要因として**「コネクシオ子会社化により売上収益ともに増」と説明しています。実際、2024年3月期のキャリアショップ事業は売上高3,465億円、前年比147.9%**まで拡大しており、2023年度以降の売上急伸を支えた主因の一つであることは明らかです。 つまりノジマは、コロナ特需の反動に悩んだ企業というより、既存事業の成長に加えて、コネクシオ買収の効果を取り込みながら売上規模を一段引き上げた企業と位置付けるのが実態に近いでしょう。


