はじめに
パソコンは2010年から2014年まで年間1,000万台以上の出荷があり、特に2014年4月のWindowsXPの延長サポート終了前の買い替えが増加した2012年、2013年は約1,100万台の需要がありました。買い替えが一段落した2015年以降は年間700万台規模にまで落ち込み、年々出荷台数が減少しましたが、2020年1月のWindows7の延長サポート終了を控えて2018年から再び需要が拡大。年間出荷台数では5年ぶりにプラスに転じました。今回の買い替え需要は法人向けが大きく伸びているのに対し、個人向けが横ばいから微減といった状況が続いていますが、消費増税前の駆け込みや延長サポート終了が間近に迫ってくることから、個人向けも買い替えが進んでいくと見られています。
2026年1月から3月までのパソコン出荷は、台数では前年を下回る月があるものの、金額は大幅に伸びているのが際立った特徴です。 1月は579千台・出荷金額781億円。2025年1月の689千台・860億円と比較すると台数は84.0%と大幅に減少しましたが、2024年1月の512千台・607億円と比較すると台数で13%増、金額で29%増と上回っています。2025年はWindows 10サポート終了に伴う法人需要の前倒しで出荷が急増した年であり、2026年1月の減少はその反動減の側面が大きいと考えられます。 2月は604千台・出荷金額766億円。2025年2月の690千台・869億円に対して台数87.5%、金額88.1%と前年割れが続いていますが、2024年2月の565千台・687億円は上回っています。 3月は大きく様相が変わりました。台数のデータは読み取りにくいですが、出荷金額は1,436億円と2025年3月の1,295億円、2024年3月の928億円をいずれも大幅に上回り、突出した水準を記録しています。年度末の法人調達が集中する3月に金額が急伸した背景には、AI対応PCへの入れ替え需要や、円安に伴う単価上昇が反映されている可能性があります。 第1四半期全体を通じて注目すべきは、台数と金額の動きが乖離している点です。冷蔵庫・洗濯機が「台数増・金額減」だったのとは正反対に、パソコンは「台数減(または横ばい)・金額増」の傾向にあります。AI機能を搭載した高性能モデルへのシフトが進み、1台あたりの単価が上昇していることが背景にあると見られます。量から質への転換が最も進んでいるカテゴリと言えるでしょう。


