はじめに
2000年に出荷台数が約489万台に達した冷蔵庫は、買い替え需要が進み年間410~450万台程度の市場が続いていました。しかし、2015年に消費増税前の駆け込み需要の反動を受けて年間400万台を切り、その後も400万台以上にまで戻っていませんが、ここ数年は台数も堅調な状況が続いています。この間、一貫して「大容量化」が進んできており、2000年代は400~420Lクラスが主流だったのが、2005年ごろから450~470Lに、2010年以降は500L以上へとシフトしています。とはいえ、大容量化も2018年には一段落して、現在はさらなる保存鮮度の高さや生活スタイルに合わせた温度コントロールなどがポイントになっています。
2026年3月までの冷蔵庫出荷は、台数・金額ともに前年を大きく上回る好調な滑り出しとなっています。 1月は226万台・出荷金額230億円でした。2025年1月の210万台・263億円、2024年1月の217万台・275億円と比較すると、台数では2年分を上回る回復を見せています。一方、金額は2025年1月(263億円)を下回っており、台数が増えたにもかかわらず金額が伸びていないことから、平均単価の低下がうかがえます。 2月は311万台・出荷金額362億円と大きく伸びました。2025年2月の251万台・308億円に対して台数は123.9%、金額は117.5%と、いずれも二桁成長です。2024年2月の294万台・363億円とも比較しても台数で上回っています。新生活需要が本格化する2月に向けた出荷が前年以上に活発だったことが読み取れます。 3月は363万台・出荷金額318億円を記録し、台数は2025年3月の333万台、2024年3月の348万台をいずれも上回りました。新生活シーズンのピークにあたる3月としては過去2年で最も高い出荷台数です。ただし金額は318億円と、2025年3月の334億円、2024年3月の384億円を下回っています。台数が増加しているにもかかわらず金額が減少しているギャップは1月と同様であり、単身・二人暮らし向けの小容量モデルの構成比が高まっている可能性や、値引き競争の激化が背景にあると推測されます。 3月までの合計では台数が約900万台と、2025年同期の約794万台、2024年同期の約859万台を大幅に上回りました。しかし金額合計は約910億円と、2024年同期の約1,022億円には届かず、2025年同期の約928億円もわずかに下回っています。「台数増・金額減」という傾向は、冷蔵庫市場における平均単価の下落トレンドを示しており、メーカー・量販店ともに高付加価値モデルへの誘導や、大容量・省エネモデルの訴求強化による単価回復が課題となるでしょう。


