はじめに
炊飯器は、台数が長く減り続けてきた商品です。年度の出荷台数は2016年度の5,747千台から2024年度の4,467千台まで、8年で22%減りました。世帯人数の縮小と、ご飯を炊く回数そのものの減少が背景にあります。ところが出荷金額は同じようには減っていません。2021年度の985億円を底に、2022年度995億円、2023年度1,007億円、2024年度1,033億円、2025年度1,099億円と4年続けて増えています。
支えているのは1台あたりの価格です。平均単価は2020年度の19,147円から2025年度の24,453円まで、5年で5,306円、率にして28%上がりました。台数が減るぶんを単価が補って、金額をむしろ押し上げている構造です。炊飯器は「安く売れる数を増やす」のではなく「高いものを少なく売る」方向に移ってきた市場だと言えます。コメの価格が高止まりするなかで、炊く道具のほうに手をかける動きが後押ししているとみられます。
そして2025年度は、台数が4,496千台、前年度比100.6%と6年ぶりにプラスへ転じました。金額も106.5%です。台数と金額がそろって伸びたのは久しぶりでした。ところが2026年度に入ると様子が変わります。4〜6月の3ヶ月は1,014千台、前年同期比91.5%、金額は248億円で91.0%でした。台数と金額がほぼ同じ率で落ちており、単価が支える形になっていません。この変化がどこから来ているかを、このページの3つのグラフで確かめられます。
読むときの注意が2つあります。1つは、この統計が示すのはメーカーからの出荷であって、店頭で売れた数ではないことです。もう1つは季節性で、12月に出荷が集中し、単価は6月に跳ね上がります。2023年4月からの3年平均で、台数は12月が504千台・7月が302千台、単価は6月が27,301円・3月が20,501円です。6月は上位機が動き、3月は新生活向けの手軽な機種が中心になります。数字は前年の同じ月と比べてください。
