はじめに
ジャー炊飯器の需要は、インバウンド需要の拡大が顕著に表れた2015年に出荷台数で581万台、金額でも前年比111.0%と伸長がありましたが、ここ数年は560万台前後で安定しています。よりおいしくごはんが炊ける、銘柄米のうまさを引き出して最適に炊けるなど、おいしさを追求した高級タイプも安定した需要があり市場全体をけん引しています。また、世帯構成の変化などを受けて主流の5.5合炊きタイプに加え、少量炊飯の3~3.5合炊きタイプも年々増加傾向にあります。
2026年のジャー炊飯器市場は、1月に台数392千台・金額9,860百万円となり、台数は前年同月比9.2%増と好調な滑り出しとなりました。特筆すべきは金額の伸びで、前年同月比16.8%増と台数の伸びを大幅に上回っています。高付加価値モデルへの需要シフトが年初から明確に表れており、1台あたり単価の上昇が金額成長を引っ張る構図が年明けから読み取れます。 2月は台数363千台・金額8,289百万円と、前年同月比で台数が約8.1%減と落ち込みました。ただし金額は前年同月比約2.5%減にとどまっており、台数の落ち込みほど金額は縮んでいません。3月は台数425千台・金額9,131百万円へと回復し、台数は前年同月比ほぼ横ばいながら、金額は前年同月比4.5%増と再び台数を上回る伸びを見せました。2024年3月と比べると台数水準は約14.8%低いにもかかわらず金額が底堅く推移しているのは、カテゴリ全体の価格帯が着実に切り上がってきていることを示しています。 1〜3月を通じて見えてくる最大のテーマは「台数より単価」への市場の変化です。台数が前年を下回る月でも金額の落ち込みが小さく、台数が増えた月には金額がそれ以上に伸びるパターンが定着しつつあります。春商戦の本番を迎えるにあたり、高付加価値モデルの構成比がさらに拡大するか、また量販店の売場がその変化をうまく取り込めているかが、2026年上半期の金額成長の持続性を左右する注目ポイントになりそうです。


