はじめに
国内の薄型テレビの市場規模は、2025年のメーカー出荷ベースで4,399千台・3,925億円です(電子情報技術産業協会。金額は月次の合計による弊社集計)。薄型テレビは、二人以上の世帯の94.1%が保有し、100世帯あたりの保有台数は194.7台に達しています(内閣府「消費動向調査」2026年3月末)。すでに行き渡った市場であり、いま動いているのは買い替え需要です。買い替えまでの平均使用年数は10.8年、買い替えの理由は70.8%が故障で、上位機種への移行は17.1%にとどまります。壊れるまで使われる商品であるため、需要の総量は世帯数と製品寿命でおおよそ決まります。
国内出荷が突出したのは2010年です。地上アナログ停波を控えた買い替えとエコポイント制度が重なり、25,193千台が出荷されました。前年の2009年も13,626千台・前年比140.4%と伸びており、2年で数年分の需要が前倒しされた形です。その反動で2012年は6,453千台・前年比32.5%まで落ち込み、2014年に102.1%と一度持ち直したものの、2017年の4,277千台が底になりました。そこから在宅時間の増加を背景に2020年は5,426千台(前年比111.5%)まで戻りました。ただしこの水準は続かず、2022年4,866千台、2023年4,373千台と下がり、2024年4,486千台、2025年4,399千台(前年比98.1%)と、直近は4,400千台前後で推移しています。
台数が伸びない一方で、中身は変わり続けています。2025年にサイズ別で前年を上回ったのは60型以上だけで、616千台・前年比109.7%でした。ほかは29型以下90.5%、30〜39型97.7%、40〜49型99.7%、50〜59型94.5%で、いずれも前年を下回りました。伸びているのは最も大きい区分だけで、そこから下はサイズの順には並びません。4K対応テレビは2021年の3,063千台をピークにいったん減少しましたが、2024年を底に2025年は2,429千台(前年比104.3%)と再び増加し、薄型テレビの台数の55.2%を占めました。金額で見ると比率はさらに高く、2025年の出荷金額3,925億円のうち4Kは3,257億円で83.0%です。台数の半分が金額の8割を生んでいる計算になります。一方で有機ELは2021年の634千台から2025年は289千台へ半分以下に縮んでおり、大画面の需要が有機EL以外へ向かっていることが読み取れます。
このページでは、出荷台数と出荷金額、平均単価、品目別の内訳、4K比率という角度から薄型テレビの国内出荷を追います。数値は電子情報技術産業協会(JEITA)の公表値です。ただし年単位の出荷金額はJEITAが薄型テレビ単体で公表していないため月次の合計による弊社集計、平均単価は出荷金額を出荷台数で割った弊社算出です。
